概要
2020/9/30にBRAHMANが約3年ぶりにILLBOSSTINO(THA BLUE HERB) とタッグを組みリリースした「CLUSTER BLASTER / BACK TO LIFE」。
パンクだから、ヒップホップだから、やるべきことがあるー
コロナ禍の今、BRAHMANとILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) が再びペンを走らせ、音を刻み、世界的コラージュ・アーティスト河村康輔によるアートワークが新たな表現の幕開けを告げる
2020年、衝撃の問題作!
(BRAHMAN Official)
▼BRAHMAN feat. ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB)「CLUSTER BLASTER 」MV

曲リスト
1.CLUSTER BLASTER
2.BACK TO LIFE
聴いてみた
宣伝文句にも書いてあるのだが、聴いてみた衝撃だった。歌詞がだ。
「CLUSTER BLASTER」は初っ端から「狂ってる」と連呼するところから始まる。それだけでもうこの曲が普通じゃないことを予感させるのだが、ILLBOSSTINOのラップは攻撃の手を休めない。
歌詞の詳細は書かないようにするが、アメリカ・オリンピック・芸能人のスキャンダル・中抜き・・・・といった単語が並ぶ。どれも皆がおかしいと感じつつも、もうそれが普通のこととして気にもとめなくなっているものだ。それを無関心と非難し、ぶちまけていく。これはエグい曲だ。
もちろん歌詞に関しては人それぞれ考えるところがあるだろうし、諸手を挙げて賛成するものでもない。
演奏に関しても書いておこう。ギターリフはガシガシとしており、90~00年代のグランジ・オルタナティブが好きな人間にとっては官能的ですらある。今作はCDではなくLP盤を購入したのだが、BRAHMANをレコードで聴きたくなるのはそこに理由がある。針で聴きたくなる音なのだ。
BRAHMANは「A FORLORN HOPE」も「THE MIDDLE WAY」もCDを持っているが、後からオークションでLPを探してゲットした過去がある。それくらいにBRAHMANの音に惚れ込んでいるのだ。ちなみに今作はEPよりも大きいが、一般的なLPよりは一回り小さい10inch盤でリリースされている。45回転で片面一曲ずつなので、音が良いことは言うまでもない。
「BACK TO LIFE」についても書いておこう。「CLUSTER BLASTER」よりも明るい雰囲気となり、歌詞も「言いたい事を言い合った」「皆で飯でも行かない?」と楽しげな雰囲気になる。字面だけ見れば。
しかし1曲目の「BACK TO LIFE」を聴いた後では、バッドエンドに向かっているようにしか聴こえないのだ。皆で集まって、飯を食って、笑った、全部最悪のバッドエンドに向かう前のようだ。映画だったら、この後何かが起きたことを匂わせてエンドロールだろう。
2曲とも日本語歌詞なので、全て聞き取れてしまうのだ。英語歌詞であれば特に何も思わないのかもしれないが、日本人なので聴きたくなくても聴こえてしまう。
あれ…?全然プラスなことを書いていないが、2曲とも素晴らしかった。合わせて10分強とあっという間なのだが、色々と衝撃を受けて吐き出すようなレビューを書いてしまった。
歌詞についてこんなに考えたのはいつぶりだろうか。
