スクリーモ黄金期を打ち立てた伝説の帰還!歪んだ社会へ解き放つ容赦なき劇薬
2000年代初頭のスクリーモ/ポスト・ハードコア・ムーブメントの頂点に立ち、シーンのアイコンとして世界中に絶大な影響を与え続けてきたユタ州出身の重鎮 The Used(ザ・ユーズド)。彼らが名門 Big Noise(ビッグ・ノイズ)から突如解禁したシングル「People Are Vomit」のリリックビデオが、ロックシーンに凄まじい激震を走らせている。
フロントマン Bert McCracken(バート・マクラッケン)のエキセントリックかつ切迫感に満ちたスクリームと、疾走感あふれる骨太なパンク・サウンドが交錯する今作。アルバム『Toxic Positivity』の制作背景と強くリンクしながらも、最終的にアルバム本編のトラックリストからあえて外され単体リリースされた経緯を持つ、ファン垂涎の激レア・裏名曲だ。
数々のメンバーチェンジや過酷なツアー、個人の葛藤を乗り越え、結成から四半世紀近くを経た現在もシーンの最前線に君臨し続ける彼ら。一切の衰えを感じさせないどころか、より洗練された毒と圧倒的なアグレッションを兼ね備えた本作は、初期からのスクリーモ・フリークの渇望を完璧に満たす逸品と言える。
▶"💡強烈なタイトルである「People Are Vomit(人間なんて反吐が出る)」が示す通り、本作は偽善に満ちた現代社会や、表層的な人間関係への生々しい嫌悪感をストレートに叩きつけた一曲だ。過剰なポジティブ思考を強いられる世界に対する強烈なアンチテーゼであり、内に秘めた不満や孤独を肯定する不屈のパンク・アティチュードが漲っている。"
▼ The Used – People Are Vomit [Official Lyric Video]
▼ MEDZ – Amazon Music
▼ 「People Are Vomit」も収録されているアルバム「MEDZ」!!
偽善を焼き尽くす怒りの咆哮——不条理な世界で感情を曝け出すカタルシス
楽曲の根底に横たわっているのは、不誠実な言葉や自己承認欲求に狂奔する人々に対する冷徹な視線と、逃げ場のない怒りの感情だ。綺麗事で覆い隠された日常の滑稽さを容赦なく暴き立て、鬱屈とした現代人の内面を代弁するかのように激しい叫びが吐き出されていく。
バート・マクラッケンが放つヴォーカルは、悲痛な情念と狂気が背中合わせになった特有の魅力を放つ。ただの破壊衝動にとどまらず、傷ついた魂を救済するための避レー針として機能するストーリーテリングは、長年彼らが信奉されてきた最大の理由に他ならない。
爆走するリズムと耳を刺す歪みギターが生む極上の疾走アプローチ
サウンド面での白眉は、Joey Bradford(Gt)による攻撃的なギターカッティングと、Jeph Howard(Ba)& Dan Whitesides(Dr)が生み出す地鳴りのような直球パンク・リズムのドライブ感だ。キャッチーでありながらも不穏なコード感を保ったまま一気にサビへと雪崩れ込む展開は、まさに初期『In Love and Death』期を思わせるフックに満ちている。
楽曲のテンポ感とシンクロするようにグラフィカルなテキストが躍動するオフィシャル・リリックビデオの構成も見事で、聴き手の視覚と聴覚を同時にジャックする。過剰なポップ化に流されない硬派なスクリーモ・サウンドの真骨頂であり、彼らが世界中のアリーナやフェスを揺らし続ける理由がここにある。
不快感や負の感情すらも極上のロック・アンセムへと昇華させてしまうソングライティングの凄み。時代がどれほど移り変わろうとも、The Usedが吐き出す「People Are Vomit」の強烈なリアルは、抑圧された日常を打ち破る特効薬として爆音で鳴り響き続けるだろう。























