「Godforsaken feat. Johanna Kurkela」MV公開
2/24にスタジオアルバムとしては2019年にリリースされた「Heart like a Grave」以来となる最新アルバム、「Anno 1696」をリリースしたINSOMNIUM。同アルバムに収録されている「Godforsaken feat. Johanna Kurkela」のMVが公開された。曲名にもある通り、フィンランドの歌手であるJohanna Kurkela(ヨハンナ・クルケラ)がゲスト参加している楽曲である。
「Anno 1696」には他にもRotting Christのボーカル・ギターであるAthanasios “Sakis” Tolisが参加している「White Christ」も収録されている。
▼INSOMNIUM– Godforsaken feat. Johanna Kurkela (OFFICIAL VIDEO)
▼Anno 1696 – Spotify
北欧感全開の楽曲
すでにメロデス界の重鎮と言って良いレベルのINSOMNIUMであるが、フィンランドのバンドということで、本作、特にこの「Godforsaken feat. Johanna Kurkela」では北欧メタル感全開である。
”シンフォニック”という一言で片付けられる簡単なものではないと思うが、冒頭からJohanna Kurkelaの美しい歌声が響く…にも関わらず楽曲としては完全なるメロデスである。管理人個人的に北欧メタルを構成する主要な要素を上げろと言われたら、「ギター・ベース・ドラム以外に重ねられている壮大・雄大な雰囲気のオーケストラやシンセ」と答えるだろう。「Godforsaken feat. Johanna Kurkela」はそれにガッチリとはまっている。
もちろんバンドサウンドあっての楽曲ではあるのだが、それに追加されるいわゆる「臭メロ」が欠かせない要素だと思うし、醍醐味であると思う。特に5:55辺りからの展開は、知らない人が聴いたら美しすぎてメロデスだとは思わないだろう。
北欧メタルでしか味わえない美しさ
メロ”デス”なのにここまで美しいメロディーや曲の展開を持つ楽曲というのは、やはり北欧メタル独特のものであると思う。何というか、もはや文化の違いとしか言えない気がする。詳しくないのであまり突っ込めないが、ケルト音楽にしても良い方は悪いかもしれないが「臭メロ」なのである。その辺りの音楽をルーツに持つのであれば、こういった楽曲が制作できるのも納得がいく。
邦楽やアメリカを中心とした洋楽ではほとんど見られないものである。(もちろん作ろうと思えば作れるのだろうが。ゲーム音楽だが、ロマサガやFFの音楽はかなり近い雰囲気を持っている。むしろそこからメロデスに興味を持った人も少なくないのではないだろうか。)
これは文化やバックボーンの話なので、別にどっちが良い、悪いの話ではない。逆に日本の演歌のような楽曲が海外で作られることはないだろう。マーティ・フリードマンがよく熱弁しているが、海外の人から見れば(聴けば)、非常に特徴的で魅力的なものなのだ。
同じ人間という括りでありながら、生まれた場所やそこの文化で全く異なったものを作り出す、そしてそれを手軽に体感できる音楽というのは非常に面白い。
