概要
11/27にGreen Dayのビリー・ジョー・アームストロングがリリースしたロック・カバー・アルバム。ビリー・ジョーは新型コロナウイルスによる外出自粛下で楽曲を制作。毎週月曜日にYouTubeで新(カバー)曲を公開していた。「No Fun Mondays」は、そのようにして公開された全14曲をアルバムとしてまとめたもの。
▼関連記事
トラックリスト
1. I THINK WE’RE ALONE NOW
2. WAR STORIES
3. MANIC MONDAY
4. CORPUS CHRISTI
5. THAT THING YOU DO!
6. AMICO
7. YOU CAN’T PUT YOUR ARMS ROUND A MEMORY
8. KIDS IN AMERICA
9. NOT THAT WAY ANYMORE
10. THAT’S ROCK ‘N’ ROLL
11. GIMME SOME TRUTH
12. WHOLE WIDE WORLD
13. POLICE ON MY BACK
14. A NEW ENGLAND
▼「No Fun Mondays」 – Spotify
聴いてみた
誤解を恐れずに言うと曲調はGreen Dayだし、そもそもカバー曲だし、目新しさで言えば特に何もない。ポップスとしては良盤だと思うし、おすすめできる。じゃあそれなりに音楽を聴いてきた人に対して、これ以上音楽的に何か伝えることがあるかというと、無い。「ポップパンクのいつもの感じのやつ」で事足りてしまうからだ。強いて言うなら音が若干荒削りな気もするが、それは外出自粛化での制作ということで、制作環境が違うという理由もあるだろう。
…と、批判的なことを書いてしまったが、そもそもそういったことを求めるアルバムではないと思うのだ。
繰り返しになるが、このアルバムは新型コロナウイルスによる外出自粛下で、毎週1曲ずつ公開されたものだ。アルバム名「No Fun Mondays(退屈な月曜日)」は非常にパンクっぽくて好きなのだが、励ましにも聞こえるのだ。
アメリカは分母が違うとはいえ、日本よりもずっと感染者数・死者数共に深刻な状況だった(いちおう過去形)。そのような状況で、毎週楽曲のリリースを楽しみにしているファンは相当数いたはずだ。それを「退屈な月曜日」というセンスよ。個人的な考えだけど、「(コロナで大変だけど)いつも通りの退屈でうんざりするような月曜日が来たよ。まあこの曲でも聴いてぼちぼち行こう」という意味もあるんじゃないかなと思ったり。
それにそういう状況だからこそ、いつもと変わらないビリー・ジョーが聴けたほうが良いんでないかい。
不謹慎に聞こえるかもしれないが、新型コロナ問題が無ければこのアルバムはこの世に生まれてこなかっただろうし、そもそも「ビリー・ジョーが毎週1曲ずつ曲をリリース」という状況にもならなかっただろう。
最初に批判的なことを書いてしまったが、このアルバムは「たしかにあの時代をビリー・ジョーと共に生きていた記念」盤として買うのもありだと思う。かつてイラク戦争が起きた時に、「Rock Against Bush」というコンピレーションアルバムがあったのだ。名前の通り、当時のブッシュ大統領を強烈に非難したものだ。音楽というものは、そうやって良いことも悪いことも過去のことを振り返ることもできるのだ。来年の夏こそは、海辺の道をこのアルバムをかけながら颯爽と走りたいものですね。
レビュー記事史上、最高に音楽と関係ないことを書いたが、それが個人で運営している強みなのだ。
