4Kリマスター版を公開
モンゴルのバンドThe HUが2019年にリリースしたアルバム「The Gereg」に収録されている楽曲「Wolf Totem」だが、この楽曲はオリジナル版の他に、Papa RoachのボーカルであるJacoby Shaddixがゲスト参加しているバージョンも存在している。おそらく3年ほど前にリリースされていると思うのだが、今回はそのMVの4Kリマスター版が公開された。
この記事を書いているのはノートPCなため、正直あまり差は感じられなかったが、ちゃんとした4Kの再生環境であればより美しい映像を観ることが可能だろう。
▼The HU Wolf Totem feat Jacoby Shaddix of Papa Roach (Official Video) (4K Remastered)
▼The HU – Wolf Totem (Official Music Video)
▼The HU Wolf Totem feat Jacoby Shaddix of Papa Roach – Spotify
モンゴルの音楽を聴きやすい曲調で体験できる
管理人はThe HUの存在を知らず、元々はPapa Roachが大好きだったため、その繋がりでこの楽曲にたどり着いた。近年ではPapa RoachやJacoby Shaddix単体で様々なアーティストとコラボしている印象だが、ついにモンゴルのバンドか…と思った記憶がある。
で、結論から言って「Wolf Totem」は非常に気に入っている。Jacoby Shaddixが参加しているバージョンとオリジナル版共にだ。モンゴルの楽器と言われてもピンと来ない人がほとんどだと思うのだが、基本的には”中国の伝統楽器っぽい音”である。それでロックが出来るのかという感じもするが、これが見事にロックとして成立している。(それにはドラムが貢献している部分も大きいと思う。)
ただボーカルに関しては好みの分かれるところかもしれない。いわゆる”ホーミー”を織り交ぜたボーカルというのは聴き馴染みが無いため、違和感を感じるところかもしれない。管理人は父親がモンゴルにドはまりし、毎年旅行に行ったり、現地の映像を見せられていたため特に違和感なく受け入れることが出来た(だいぶ特殊な環境だとは思うが…)。
そしてそこにJacoby Shaddixの典型的なアメリカン・ロックなボーカルが加わるわけだが、これもまた絶妙にマッチしている。これはもうJacoby Shaddixのセンスというしか無いのかもしれないが、The HUの低めのボーカル、Jacoby Shaddixの高音のボーカルが非常によく合うのだ。
様々な要素を取り込む音楽の面白さ
モンゴルの楽器でロックというイメージは全く無いわけだが、それを取り込み、しっかりと音楽(ロック)として成立させてしまうのが音楽の非常に面白いところだと思う。今では珍しくないミクスチャーロックなどでも、ラップとハードロックを合わせる、さらにはターンテーブル合わせる、そしてそれが成立するなんておそらく誰も思っていなかっただろう。しかし見事に完成し、一つのジャンルとして確立している。
他にも例えばYellowcardのように、メロコア・パワーポップにバイオリンを合わせるなんていうことも、最初は誰も考えなかっただろう。バイオリンは何というか由緒ある弦楽器であって、不良の音楽である(古い)ロックとは相容れないと、普通は思う。
というように、新しい要素をどんどん取り込み、そして新たなジャンルとして確立してしまうのが音楽の非常に面白いところである。管理人はただの一音楽ファンであるため何も思いつかないが、現時点では誰も試していないような組み合わせが今後も出てくるのだろう。もしかしたら今この瞬間に生まれているのかもしれない。
