新体制の航海へ!Memphis May FireのMatty Mullinsを擁する名盤『CURRENCY』からの刺客
USフロリダ発のエモーショナル・オルタナティヴ・ロックシーンを長年にわたり牽引してきた重鎮、Anberlin(アンバーリン)。彼らがEqual Vision Recordsより、通算9枚目となる待望のフルアルバム『CURRENCY』のリリースに先駆けて、最新楽曲「GRAVITY」のオフィシャル・リスニングビデオを公開した。
本作は、Memphis May Fire(メンフィス・メイ・ファイア)のフロントマンとして知られるMatty Mullins(マティ・マリンズ)を正式なリードボーカルに迎えて制作された、完全新体制初となるアルバムからの注目シングルだ。プロデューサーには同じくMemphis May FireのKellen McGregor(ケレン・マグレガー)を抜擢しており、バンドが誇る繊細でエモーショナルな旋律に現代的なヘヴィネスと鋭利なプロダクションが見事に融合している。
結成から長きにわたりシーンのトップで黄金期を築いてきた彼らが、大きな変革を経て解き放つ本作は、キャリアの新たな章の幕開けを鮮烈に告げるエモーショナルな力作と言える。
▶"💡タイトルの「GRAVITY(重力)」が示す通り、本作のリリックでは過去の執着や恐れ、そして抗えない運命の重力に引き戻されるかのような葛藤が描かれている。自身が積み上げてきたアイデンティティや関係性が崩れ去った後、手放すべきものを受け入れて痛みと対峙する葛藤を描いたストーリーだ。絶望の深淵に留まるのではなく、傷を受け止めた上で新たな自分へと再生していく人間の強靭な精神性がエモーショナルなメロディと共に紡がれている。"
▼ Anberlin – GRAVITY (Official Listening Video)
▼ CURRENCY – Amazon Music
▼ 「GRAVITY」も収録されているニューアルバム「CURRENCY」!!
過去の重圧を解き放つ緻密な音像と情動的なサウンドプロダクション
澄み切ったギターリフと抑揚の効いたリズムセクションで幕を開ける楽曲は、Anberlinが長年培ってきたキャッチーかつ美しくも切ないオルタナティヴ・ロックの真骨頂を感じさせる。新ボーカリストのMatty Mullinsが見せる表現豊かな歌唱は、原曲の叙情的な雰囲気を壊すことなく、より太くクリアな存在感を与えている点が印象的だ。クリスチャン・マカルヘニーとジョセフ・ミリガンのツインギターが織りなす繊細なフレーズの重なりは、重力に押し潰されそうな心情の揺れ動きを巧みに可視化している。
サビに向けて徐々に熱量を増していくアンサンブルは、ディオン・レクスロードの重厚なベースラインとネーサン・ヤングのダイナミックなドラミングによって強固に支えられている。感情が爆発するブレイクダウンパートでは、Kellen McGregorの緻密なミキシングアプローチが光り、モダンなヘヴィネスと洗練されたポップセンスが見事な均衡を保っているのが素晴らしい。エレクトロニクスの質感と生楽器のアコースティックな響きが絶妙に引き立て合い、聴き手を飽きさせない壮大な音響空間を作り上げている。
変革を受け入れさらなる進化を果たすAnberlinの未来像
アルバム『CURRENCY』全体に通底する「崩壊の後にいかに立ち上がり、自己を再構築するか」というテーマは、ボーカル交代という大きな転換期を乗り越えたバンド自身のドキュメンタリーとも重ね合わせることができる。過去の栄光や定型化したスタイルに固執することなく、新たな血を注入することで自らの音楽性をダイナミックにアップデートしてみせた決断力は見事と言うほかない。新体制で生み出された本楽曲の圧倒的な完成度は、かつてのファンを歓喜させると同時に、新しい世代のラウド/オルタナロックファンを強力に引きつけるポテンシャルを秘めている。
今回のアルバム制作を通じて強固に組み上がったメンバー間のシナジーは、今後のツアーやライブパフォーマンスにおいても更なる爆発力を発揮することは間違いない。アリーナクラスのスケール感と個人的な内面世界を同時に描き出す彼らのアプローチは、新体制によって表現の幅を大きく押し広げた印象を受ける。スタジオレコーディングで研ぎ澄まされた今作の音像が、実際のライブ空間でどのような臨場感をもって奏でられるのか想像するだけでも興奮が収まらない。
ポストハードコアやエモ、オルタナティヴ・ロックの文脈を完璧に継承しながらも、時代に合わせて進化を止容赦しないその姿勢は、シーンに存在する多くのバンドにとっても大きな刺激となるはずだ。長年のキャリアで培った圧倒的なソングライティング能力にMatty Mullinsのエモーショナルなボーカルが加わったことで、楽曲に宿る感情の伝播力はより一層強固なものへと磨き上げられた。一度聴いたら忘れられない印象的なメロディラインは、繰り返し聴くたびに新たな深みと発見を与えてくれる。
激動のロックシーンにおいて常に自身のスタイルを追求し続けるAnberlin。フロントマンの交代という大きな挑戦を経て、より力強く洗練されたアンサンブルを手に入れた彼らが、ニューアルバム『CURRENCY』と共に描く新たな黄金期の到来を期待せずにはいられない。




















