デンマークの雄HATESPHEREが切り拓く殺傷的ヘヴィネスの真髄
1990年代末にデンマーク・オーフスにて結成されて以来、通算10枚以上のフルアルバムを発表し、北欧エクストリーム・メタルシーンの絶対的屋台骨として激走を続けてきた重鎮バンド、HATESPHERE(🔎公式YouTube)。スラッシュメタルの肉感的な疾走感とメロディック・デスメタルの凶暴なブルータリティを高次元で融合させた「デスラッシュ」サウンドの先駆者である彼らが、イタリアの名門Scarlet Recordsより待望の新曲「Mouth Filled With Barbed Wire」の公式ミュージックビデオを解禁した。
長年にわたる過酷なワールドツアーや幾多のメンバーチェンジという波乱を乗り越え、中心人物であるPeter “Pepe” Lyse Hansen(Gt)の揺るぎない音楽的信念のもとで研ぎ澄まされてきた彼らのアティチュードは、本作においてさらなる破壊力を獲得している。本作の映像ディレクションおよび編集は数々の名作ラウドMVを手掛ける名手Jens de Vos(Courageous World)が担当。バンドの真骨頂である生々しく荒々しいライヴ・パフォーマンスの熱量を、徹底的に追求されたカットワークと重厚なライティングでストイックに捉え切っている。北欧の暗雲を切り裂くような破格の重音圧は、長年彼らを追い続けてきたオールドスクールなスラッシャーから最新のラウドフリークまで、あらゆるヘヴィミュージック・ファンの熱い視線を集めている。
▶"💡タイトルの通り「有刺鉄線を口に詰め込まれた」かのような、言論の抑圧や言葉を発するたびに内面が切り刻まれる激しい精神的苦痛と怒りがメインテーマとして描かれている。権力や社会の圧力によって真実を塞がれ、偽りの服従を強要される人間が抱く絶望的な葛藤と、その抑圧を力任せに打ち砕こうとする破壊的な意思が表現されている。血の味が滲むような悲壮感とともに、理不尽な抑圧者に対して徹底的に牙を剥く不屈の反骨精神が刻み込まれた、極めてアグレッシブで高密度なアンセムである。"
▼ HATESPHERE – Mouth Filled With Barbed Wire (Official Video)
▼ Mouth Filled With Barbed Wire – Amazon Music
▼ 今回リリースされた新曲「Mouth Filled With Barbed Wire」!!
スラッシュのスピードとデスメタルの殺傷力が交錯する音響美
「Mouth Filled With Barbed Wire」の音響設計において最も鮮烈なインパクトを放つのは、HATESPHEREの代名詞とも言える超高速のオルタネイト・ピッキングによるザクザクとしたギターリフと、一切の無駄を削ぎ落とした肉感的なリズムセクションの突進力だ。楽曲の冒頭から炸裂する極太のギターリフは、ベースの最低音域とタイトに同期し、聴き手の鼓膜をダイレクトに打ちのめす怒涛の音圧を形成している。直線的な疾走感を誇るヴァースから、重厚なミドルテンポへのスイッチングを盛り込んだ展開は、長年シーンの最前線で名曲を生み出し続けてきた彼らならではの精緻な計算の上に成り立っている。
ヴォーカリストが解き放つ地獄の底から響くような咆哮グロウルと、殺気立ったシャウトの劇的なコントラストは絶品であり、歪みきった過激なバンド・サウンドの中でも圧倒的な存在感と説得力をもって楽曲のストーリーラインを牽引していく。感情の爆発と殺伐とした冷徹さを過不足なく表現するボーカル・パフォーマンスは、楽曲が持つ「抑圧からの脱出と破壊」というテーマ性と完璧にシンクロしており、聴く者の感情を激しく揺さぶる。さらにアンサンブルの背後で効果的に差し込まれるオールドスクールなツインギターのハーモニクスが、荒々しいサウンド全体にスラッシュメタル特有の香ばしさと奥深い高揚感を与えている。
アグレッシブに叩き込まれる2バスの連打と、スネアのアタック音が骨太な土台を形成しており、楽曲全体の推進力を大幅に引き上げている。中盤のブリッジからギターソロにかけて突入するパートでは、テンポを絶妙にコントロールしながら繰り出される凶暴なグルーヴと変則的なアタック音が巧みに交錯し、ライブハウスのフロアを一瞬で狂乱のサークルピットへと変貌させるほどのエネルギーを放出している。アナログな演奏の生々しい熱量と最新のオーディオ・プロダクション技術が高次元でブレンドされるこのサウンドスケープは、彼らが世界のデスラッシュ・シーンにおいて今なおトップランナーであり続けている証拠だ。
Jens de Vosが切り取る生の暴虐性とメンバーの躍動美
解禁された公式ミュージックビデオでは、過飾なCG演出を一切排除し、バンドの持つ生々しい演奏力と殺気立ったアティチュードを前面に押し出したシネマティックな映像美が展開されている。暗闇の中に浮かび上がるインダストリアルな空間と、フラッシュのように明滅する冷たいライティングの中で繰り広げられるメンバーの鬼気迫るセッション風景は、楽曲が放つ「言葉を奪われた者の怒り」というテーマを視覚的にも見事に増幅させている。
監督を手掛けたJens de Vosによるストイックかつ洗練されたカメラワークと精密なカット割りは、HATESPHEREというベテラン・バンドが長年のキャリアで培ってきた孤高の佇まいと真実味を鮮烈に浮き彫りにしている。汗を散らし、ヘッドバンギングとともに楽器へ魂を打ち込むメンバーの躍動感あふれるアクションや、フロントマンの眼光鋭い表情が1フレームずつ丹念に捉えられており、一切の装飾を削ぎ落とした生のパフォーマンスだからこそ生み出せる説得力が作品全体の品格を押し上げている。視覚と聴覚の双方が高次元でブレンドされることで、本作が突きつける警告と衝動がダイレクトにリスナーの深層心理へと届く仕様となっている。
デビュー以来、エクストリーム・メタルの伝統と矜持を保持しながら、一度として妥協することなく独自のヘヴィ・サウンドを追求し続けてきたHATESPHERE。最新ミュージックビデオ「Mouth Filled With Barbed Wire」を通して提示された破格の完成度とエネルギーは、彼らが積み上げてきた歴史の正当性を証明すると同時に、過激なメタルサウンズが持つ本質的な快感を世界中のフロアへ向けて力強く解き放っている。























